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災害看護とは

刻々と変化する状況の中で被災者に必要とされる医療および看護の専門知識を提供することであり、その能力を最大限に生かして被災地域・被災者の為に働くことである。したがって、被災直後の災害救急医療から精神看護・感染症対策・保健指導など広範囲にわたり、災害急性期における被災者・被災地域への援助だけでなく災害すべてが災害看護の対象となる。

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投稿者: admin 投稿日時: 2019-11-20 10:57:35 (1 ヒット)

DNSO 台風19号活動報告(長野県)

活動者:齋藤 正子

1. 活動の概要

活動日時:2019年11月17日(月)17:00~22:30
活動場所:長野県長野市
支援目的:支援活動
活動日の状況:台風19号の被災後、5週間目。避難所は長野市内8カ所279世帯647人である。支援活動に入っている豊野西小学校は、81世帯181人、豊野西児童センター20世帯37人、北部スポーツレクリエーションパーク77世帯205人(2019年11月17日朝、現在) 気温最高19.3度、最低-3.8度だった。
活動メンバー:6人、清泉女学院大学チームリーダー1人、ボランティアナース4人、DNSO1人(齋藤)
活動の概要:清泉女子学院大学の看護職チームとして豊野西小学校、豊野西児童センターの支援を行った。

2. 活動の実際

17:00

長野駅、清泉女学院大学に集合。ボランティアナースの自動車で、清泉チームリーダーとともに移動する。

17:45

豊野西小学校へ到着する。 
・看護職6人が集合し、全体ミーティングを行った。
・DWATからの申し送りあり、要経過観察者の情報を聞いた。
・北部スポーツレクリエーションパークと豊野西小学校に3人ずつ分かれて活動した。齋藤は本日、豊野西小学校で活動することになった。

18:00

・管理者より、2段キャビネットの鍵を借りて、カルテを出した。(清泉チームリーダー)
・豊野西小学校の要経観察者のラウンドを行った。
・体育館の室温が場所により異なっていた。体育館の入口では、19.3度、湿度48%。健康相談の場所では、室温が16度だった。
・発熱者、感冒症状で内服薬希望、便秘のため内服薬希望、血圧測定希望の方の対応を行う。

19:00

・豊野西児童センターへ移動した。
・管理者より、カルテの保管されている2段キャビネットの鍵を借りた。
・1階と2階を巡回し、希望者に血圧測定や健康相談を8人に行った。
・歯が4本だけの女性の方は、避難所でのお弁当が食べられない。おかずは硬いので、ご飯のみ食べているとのことだった。既に歯科受診されており、明日、入れ歯が入る予定である。
・2階の避難所にいる方3人に咳嗽があり、困っていた。受診後、内服薬で安定してきた方、咳嗽が止まらず、悪いので車中泊していたが、昨夜から戻って来た方がいた。
・児童センターでは、温度計、湿度計がなかった。そのため、設置を管理者へ依頼するとともに、現在ある加湿器のみでは、不足しているので、濡れたタオルをかけるように依頼した。
・管理の行政の方へ、要経過観察者で介入した情報を報告した。

21:00

・豊野西小学校に戻り、児童センターの情報を清泉チームリーダーに報告した。
・DVT予防の体操は、ストーブのガスの臭気騒動で全体では実施できなかったが、個々に声かけを行った。
・北部スポーツレクリエーションセンターから担当のボランティアナースが戻られ、報告を聞く。

22:00

清泉チームリーダーが活動を終了し、豊野西小学校の行政担当者へ報告した。

22:30

長野駅にて解散する。

3. 【課題・アセスメント】

1)避難所の環境

・豊野西小学校避難所から移転先が決まり、本日は、4世帯11人退所された。徐々に空きベッドが目立ってきた。生活のスペースを考えると再度レイアウトするとコミュニティスペースができるのではないかと考える。
・豊野西児童センターでは、咳嗽を訴える被災者が増えてきていた。暖房と加湿器がある。しかし、加湿が少なく乾燥も誘因となっていると考えられる。管理者の行政の方へ1階、2階ともに温度計、湿度計を確認したがないため設置を依頼した。また、加湿を補うために濡れタオルを部屋にかけるように依頼した。
・夕食のお弁当が大量に余っていた。お弁当のマンネリ化し、飽きてきたとのことだった。食事については、毎回、避難所での課題があがる。ある高齢女性は、油ものが多い、肉が多いので今までの食生活と違い、残しているとのことだった。破棄するコスト面を考えるともったいないと思う。自立を促すためにも、キッチンカーや学校の調理室の開放などを行い、被災者が順番で使用できるようなシステムができることを希望する。

写真:お弁当の配布


2)被災者の健康問題

・昨日はビール350ml×6缶、本日の巡回時にもビールを摂取している男性がいた。疾病は糖尿病、高血圧があり、内服薬が2日分のみになったの、11/18に受診するように保健師より、指導されているとのことだった。食事が美味しくない、ビールを飲み、チョコレートを食べている様子がみられた。 ビールの摂取量を少なくするように説明した。今後はアルコール依存に移行しないよう見守りながら指導が必要である。
・豊野西児童センターの2階では、咳嗽を訴える被災者が3人いた。そのうちのひとりの男性は咳嗽がひどいため車中泊をしたり、もうひとりの女性は、救急で受診をしていたりしていた。夜間に咳をすることは、一緒にいる方々が眠れないため、そこに滞在することをとても遠慮されていた。このように集団生活では、お互いに気を使い、ストレスの要因に繋がっていることを実感した。
・40歳代の男性が発熱のため、受診され、インフルエンザはマイナスだったが隔離室に入っていた。食欲がなく、OS-1ゼリーを飲んでいた。歯が4本の女性は、夕食のような揚げ物お弁当などは食べられないため、そのような場合には、ゼリーやおかゆなど軟食など食事の形態が選べるとよいと思った。

3)今後の生活への不安

・ある高齢の女性から、家の修理をしたいが、少し前にリフォームが済んだばかりで経済面に困っていた。その時は傾聴したが、後で考えてみると困窮している場合には、無料の長野県の弁護士会に相談するなど、繋ぐべきだった。
・豊野西小学校避難所の女性から、避難所から出て、自宅の2階に住む予定である。ガスが使えないことで台所が使用できないため、困っている。現在、近所の在宅避難している方は、食事を「りんごの湯」で貰っているが、11月30日以降にも行ったら配給があるのか?本日の管理者の行政の方は、詳細を知らないため長野市の行政へ要望を伝えて頂いた。また、配布がある場合には、周知してほしい旨を依頼した。
・絶え間なく健康相談に被災者が順番に来られていた。被災者の心のオアシスになっていると感じた。ある被災者の方は、「明日からは、ここへは来られないんだよ。行き先が決まったんだ。」と報告に来られていた。看護職の活動が継続されていることで安心して、相談できる場になって被災者に寄り添う看護を提供していると考えた。

4)北部スポーツレクリエーションパークの課題(担当した看護職の報告より)

・寝る前のおやつやジュースの摂取、屋内運動場内でのサッカー、野球、おもちゃの片付けの問題などがあり、子どもの生活のルールがあるようでない状況が見られた。支援者だけでなく、家族を巻き込んで解決できたらと思う。
・外気の最低気温が、-3.8度となり、益々寒さが厳しくなってきた。暖房を入れても室温があがらないため、避難所の環境としては、課題が大きい。

5)その他

・昨日の活動報告より、りんごの農業ボランティアについて、DNSOの高田さんより情報提供があり、被災者へ伝えて頂くことになった。
・カルテの共通化とその管理が課題にあがっていたが、清泉チームのカルテと保健師チームのカルテが共通化され、鍵付き2段キャビネットに管理されて運用されていた。

左写真:整備された共通カルテ保管庫。右写真:整理された共通カルテ