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災害救援活動 : 台風15号被災地(千葉県南房総地域)への先遣隊派遣(9月16日)
投稿者: admin 投稿日時: 2019-09-24 09:48:35 (145 ヒット)

第2報 DNSO先遣隊活動報告 2019年9月16日(月)

齋藤麻子・齋藤正子・田島淳子・山崎由美子

1.活動の概要

活動日時 :2019年9月16日(月)8:30~16:00
活動場所:千葉県館山市富崎地区(:相浜地区、布良地区の総称)
支援目的:全戸調査 主に健康面
富崎地区の特性:海岸沿いに集落が集中している。木造家屋が多く海岸沿いから高台まで、家が不規則に立ち並び、車の通れない道が多い。家屋は海風による老朽化が目立つ。高齢者の多い地区(高齢化率約60%)であるが、地縁も深いのか共助が成立している。空き家や別荘として使用されている家も点在している。 活動日の状況と内容:台風15号の被災後著しい気温の上昇が続いていたが、避難勧告レベル4に引き上げられる大雨となった。集落に入ると屋根や窓ガラスの損壊目立ち、ブルーシートを未だ掛け終えていない家や、かけてあっても大雨で捲れあがっているのが目立った。水道、ガスは回復しているものの、電線の被害が大きく停電が続いていて住民の疲労が目立った。雨漏りによる家屋の浸水、感染、長期高温による熱中症、食事の摂取状況、生活不活発病の可能性などふまえ調査を行った。自動車のガラスなどの損壊があった。停電が現在も続いている地域だった。固定電話が不通であり、携帯電話にて連絡をしていた。小学校で携帯電話の充電が行われていた。

2.活動の実際

時間 活動内容 備考
8:30 館山市役所4号館 ・館山市役所4号館
8:50 ・大雨警報 警戒レベル4 避難勧告発令
 避難所の増減なし
9:00 館山市役所 救護本部 ミィーテング ○災害対策本部 救護本部ミィーテングに参加
参加者:市役所、千葉県職員2名、館山市保健師・安房保健師3名、日赤救護班2班(成田・武蔵野)、DNSO4名、HuMA3名
・避難所は3か所。
・活動は、ローラー作戦で、被害の大きい地域の65歳以上の住民の健康相談を行う。
・DNSOは、富崎地区を担当することとなった。
・富崎地区の老人保健施設 明光苑へ電話連絡がつかないので、状況を確認してほしいとの依頼があった。
・地図、健康相談票、不在票、館山市のホームページの印刷物を受け取り、出発準備を行った。
・地域の住民を把握している民生委員の連絡先を頂いた。
・担当地域への移動経路、地域の説明を受ける。
9:30~ 館山市役所 出発 ・DNSOは、対策本部で経路の安全性を確認し,自動車2台、2人ずつに分かれて出発した。
・雨の状況によっては、ローラー作戦中止の判断も必要と考え、新築である明光苑を最初の目的地とした。
・館山市役所から富崎地区へ移動の際には、道路が一部冠水していた。
10:30~10:50 特別養護老人ホーム「館山明光苑」訪問 ・災害対策本部より連絡があり、明光苑とは、電話連絡がついたとのことだった。
○介護支援専門員に被災時からの状況を伺う。
・入居者の問題はなく、スタッフが2人通勤できなかったが、現在、なんとか人手が足りている。医療ニーズは、医師がいるので支援の必要はない。
・市役所から、避難勧告が出ているので、新たな避難者の受け入れ先になるため、準備をしていた。布団、マットレス等の準備がなされていた。ユニットが空いているので、長期避難になった場合には、10人くらいまで受け入れが可能である。
○デイサービス職員に被災時からの状況を伺う。
・利用者全員の安否確認が済んでいた。利用者が嘔吐を繰り返し、救急搬送したいが電話が繋がず困ったが、職員の車で受診したことがあった。
11:00~14:20 (齋藤麻子・齋藤正子)
富崎地区(相浜・布良)
相浜地区および布良地区の一部を訪問
地区内の住民の健康把握
健康相談票記載9人
○小雨となり天気が回復してきたため調査を開始する。
・民生委員さん宅を探したが、不在であったため、玄関先に出ている住民に被害や健康状況の聞きとりを始めた。
・次にその住民より気になる高齢者の情報を聞き、その家を訪問し、巡回を行った。
・炊き出しが公民館で行われていたため、その場所へ行き、集まっている住民の被害や健康状況を伺った。
・公民館にいた区長および班長より、情報を得た。この地域を巡回しており、心配な独居などの高齢者を伺い、その住民の家に訪問した。
・最後に民生委員に合うことができ、気になる高齢者の情報を得た。
・住民から「いつまで停電なのか」「別な地域は、復旧したのにここはまだなのか」と不満を漏らす人がいた。電柱で配電の工事をされている業者を数台見かけたが復旧の目処は知らされていない。「もう限界だ」との言葉が重い。オール電化の家は特に不自由とのことへ、隣近所の方が食事を持っていくなど
・午後からは、雨があがったため、ブルーシート張りをしている支援者や家の片づけをしている人もいた。雨上がりであるため注意を促した。
・自宅で生活されている人や娘さんや親戚の家に行った人もいるとの情報を得た。認知症のある高齢者においては、不自由な生活の中、介護が大変になり施設へ入所されたケースもあるとの情報を得た。
・台風の風にあおられ骨折した人が2人、そのうち1人の湿布が不足しており、公民館のある支援物資で冷えピタを代用していた。災害対策本部に届けてもらうように伝えた。
(田島淳子・山崎由美子)
布良地区および相浜地区の一部を訪問
・独居の高齢者宅へ明光苑に避難するよう呼びかけるが、雨で家の中の物が濡れてしまう、ブルーシートをかけてからでないと避難できないと。ブルーシートの配給を問われ災害本部に問い合わせし答える。
・独居の高齢者男性、夜中から嘔吐下痢7回ほど、熱はない。頭痛がすると話を聴いている途中で嘔吐があった。本部に連絡し医師、保健師につないだ。
・姉妹で隣同士居住 姉はDM(糖尿病)、右下肢のけがで退院したばかり。固定具をつけておりトイレが億劫、夜は転倒したら怖い。妹はHD(人工透析)患者だが、姉の身の回り、家の片づけなどをしている。HD後は疲れているがやるしかないと、かなり疲労が見られる。
道行く人に高齢独居者を教えてもらい訪問。体調不良を訴える人はおらず、食事もできている。独居の高齢者の中には、娘、息子が帰省してきて、避難して不在も多かった。
16:30~ DNSO振り返り ・活動の振り返りを行った。
・住民から情報収集を行い、ターゲットを探して、巡回をしたので効率的だった。
・家から公民館まで歩行できない高齢者が心配である。
・同じ地区を4人で分担して、巡回するのはどうか。
・身分を証明する名札、ビブス、腕章などがあると良かった。
17:00 解散 ・振り返り後、解散した。

3.所感

  • 担当地区のすべての家を訪問し安否確認を終えていた民生委員や区長・班長がいた。ローラー作戦を行う上で、ターゲットを早く見つけることができるなど、限られた時間内での活動の効率化を図ることができた。高齢化率60%の地区で支える側となっているその方々は、責任感が強く地域のキーパーソンとなっているが、やはり高齢者であり疲労度も相当高いと推察する。本日の雨と電気の復旧具合にもよるが外部の支援が必要である。
  • 停電が1週間続き、「もう限界だ」と話されていた。頭痛、疲れ、水シャワーが辛い、洗濯が手洗いであることなど日常生活で苦労されている。2日間くらいは、入浴施設を利用して良かった。自衛隊のお風呂があるが行きにくいと話されていた。台風後の気温上昇は、体力を奪い疲労を大きくしていた。熱中症で病院に搬送されて、点滴治療を受けたのが2人(うち民生員さん1人含む)いたという。冷蔵庫も使えず、体を冷やすこともできない状況の過酷さがあった。
  • 調査媒体の大きさが不均等(地図A3、調査用紙B4、配布物A4)で、持ち運びや記入がしにくい。改善を求めつつ、バインダーやファイルを分けるなどの工夫を要する。
  • 地形が入り組んでおり、地図を見てもわかりにくい。同姓が多く高齢である地域住民に見てもらっても的確な答えが得られない。そのため目的の家までたどり着くことが困難であり調査が難航した。屋号や目標物など予め調べておくと役立つかもしれない。
  • 手作りのお結びを配布されていたが、地域ボランティアかご近所の方か不明である。衛生管理面についても情報を得る必要があったと考える。自分で食料を取りに行くことのできない高齢者は、すぐに食べないことも考えられるため併せて確認したい。さらに栄養面について食べられているだけでなく、量や内容、食欲なども調査するべきだったと反省する。
  • 住民の疲労が蓄積していることや、雨に濡れたり、住宅へのカビの発生、汚泥の乾燥による呼吸器感染や、嘔吐、下痢などの消化器症状の可能性がある。自覚症状を訴えなくとも身体に変調をきたしている場合もあるため、バイタル測定に関する機器やスタンダードプリコーションに関するものは持参しておく必要性がある。
  • 午前に避難勧告レベル4まで出ていたが、住民は家が濡れないように家を保護することが優先で、避難行動を進めても行動に移す人はいなかった。避難行動要支援者も多い地域であり、早めの避難が望まれる。土砂崩れがあった場合の被害が心配であり注意喚起をどう行っていくのか課題である。調査する自分たちも避難勧告レベル4のなか慎重に支援活動を行った。2次災害に巻き込まれないためにも速やかに中止の判断ができるようにしたい。