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投稿者: admin 投稿日時: 2016-05-03 11:42:20 (1704 ヒット)

熊本地震の留意点
神戸協同病院 上田耕蔵

(1)震度7連続2回発生は被災者に強いストレスを与えている。
 肺塞栓が早期より多数発生している点は中越をはるかにしのいでいるからだ。新潟大学大学院呼吸循環外科の榛澤和彦教授によると今回は4月19日11時までに、車中泊の28人が肺塞栓症を発症し、うち2人が死亡(注)。中越地震では肺塞栓死者6人のうち3日目に1人、残りは5から7日目に発症した。今後も循環器系を中心として震災関連死は多発するものと思われる。
 肺塞栓症は多発したものの、死者は当初の2人だけのようである。肺塞栓症への対策(宣伝、弾性ストッキングの配布など)の効果が上がっていると思われる。

(2)熊本地震の震災関連死の疾患パターンは中越地震に似るだろう。
 熊本地震は繰り返す強い余震、車中避難が多い点、冬季ではないという点では中越地震の震災関連死と似てくる(循環器疾患が62%、肺炎は15%と少ない)思われる。

(3)要介護高齢者の緊急入所や病院入院は比較的スムースに進んでいるのではないかと思われる。熊本地震は帯状の分布をしており、孤立した被災地を除いて、周辺の施設病院は温存されているからだ。中越地震では2週間で要介護高齢者の緊急入所はほぼ完了した。機能停止した病院からの患者移送は早期に終了したようだ。

(4)震災関連死の発生数は約60人かもしれない。
 東日本大震災の岩手県と宮城県の震災関連死(2015年9月末までの集計)は1週間以内に死亡は24.0%、1か月以内33.2%、1ヶ月以上42.8%。東日本大震災では劣悪環境が長期に持続したため、1ヶ月以上の比率が高くなったと思われる。通常の中規模震災では1週間以内、1ヶ月以内、1ヶ月以上で各々1/3ずつに分布するのではないかと思われる。
 熊本県は20日に震災関連死は11人と発表した。20日は14日から1週間にあたる。発表された震災関連死は明瞭に判断できるケースと思われる。今後認定委員会での検討で関連死は増えると思われる。最初の1週間では今回の2倍程度の発生はあるとみるのが妥当だろう。概数で20人は発生した可能性がある。全期間ではその3倍、60人ではないだろうか。(中越地震の震災関連死は約50人)
現時点(23日、10日目)で半数が発生したかもいれないが、今後も発生は続く。

(5)災害サイクル上はあと数日で慢性期にはいる。
 中規模震災で最初の1週間が急性期、次の1週間が亞急性期、3週目以降は慢性期との分類を採用すると、あと数日で慢性期にはいる。
 急性期は絶対的支援不足下での外傷と内科疾患が急増する時期。亞急性期は続く劣悪避難環境下に耐えられない要介護高齢者は緊急入所となり、病弱者は発病して入院となる。2週目終わりには避難所には要介護高齢者や重病者はいなくなる。慢性期は一定落ち着いた段階。ライフライン復旧とともに自宅にもどる人が増え避難所人口は急減する。在宅介護サービスも大半は再開してくる。
 慢性期のポイントは①亜急性期までをなんどか乗り切った高齢者が弱ってくる段階。新たな高リスク者の発見フォローと廃用症候群を予防が重要。②人口の大半は在宅にいる。高リスク者も在宅にシフトする。支援を在宅に向けることと介護サービスの利用を拡大すること。要介護高齢者や障害者で震災前に介護サービスや福祉サービスを受けていない人は在宅で孤立している。探し出し支援フォローすること。

(6)車中避難者はあまり減らないかもしれない。
 中越地震では車中避難は初日で約50%だったが、4日目で11%。今回は強い余震と新たな本震の可能性のため車中避難を続ける人が中越の時より多くなっていると思われる。肺塞栓予防方法の周知や症状あれば病院受診を勧めること。
 余震の推移によるが、それでも慢性期には在宅が最も多い生活場所だろう。

(7)防ぎえた災害死の約40%は早く受診しなかったこと。
 PDD(Preventable Disaster Death:防ぎえた災害死)とは「非災害時でその地域や病院が通常の環境・診療体制であれば救命できたと考えられる死亡」である。厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)にて、東日本大震災の宮城県PDDについて大崎市民病院救命救急センター長山内聡が報告した。主要病院の全死亡868人のうち災害関連死(DRD:Disaster—related deaths)は234例(27.0%)、PDDは102例(11.8%)であった。PDDの原因だが、「医療介入の遅れ」全PDDの39.2%、「避難所の環境悪化,居住環境の悪化」が18.6%であった。
 受診遅れの一因は病院までのアクセス途絶だが、もう一方の原因は患者側の遅れである。高齢者は「自分から訴えない」。周囲が目配り気配りすること。避難所では周囲の目があるが、在宅は孤立している点に留意が必要。

(8)避難所では水とトイレが重要
 阪神大震災で水とトイレの問題が注目された。トイレが和式であったり戸外の非常用トイレは高齢者は使いにくく、水を飲むのを控える。障害者用のトイレやスペースの設置。大きな避難所では福祉スペースが設置されたことだろう。

(9)ライフライン復旧と仮設住宅建設が1ヶ月以降の震災関連死発生を減らす。
 震災関連死は強い揺れと破壊によるストレスと自宅損壊・ライフライン停止による過酷な避難生活により発生する。震災関連死を減らすには衛生環境の改善や早く病院に受診させることなどが必要だが、発生そのものを減らすためには一刻も早くライフラインを復旧させること、住環境の再建→仮設住宅の早期建設が必須。ボランティアによる自宅の片付け支援も必要。<hr>(注)車中泊の28人が肺塞栓症に、うち2人死亡、2016/4/19、M3comによる


投稿者: admin 投稿日時: 2016-04-28 18:15:39 (879 ヒット)

【情報提供】
 キャンナスから支援ナース募集の要請がありました。
  支援活動が可能な方、ご連絡下さい。

  熊本支援ナース緊急募集

 キャンナスの菅原です。
 4月16日から18日まで現地入しました。
 その後、医療チームも沢山入っているので、全国からのナースの募集をやめ九州限定と致しましたが中々集まりません。
 それ以上に、現地での業態に変化があり、本日も熊本の先生から依頼があり担当保健師と話をした所、3カ所の避難所に今日にでも来て欲しいという事になりました。
 昼間は100人の所に夜は300人になり、其の学校や体育館の周りには600人が車中泊。そんな所が2つ。 老人保健センターには要介護者が集中。そこでナースの緊急度集を致します。
 5月半ばまでの活動が可能なナースの方(准看護師も可)手を挙げて頂けたら幸です。
 勿論来週26日からとか28日からと言う方も大歓迎致します。
 兎に角今は早く行かれる方~~お願いします。
 皆様の周りに熊本に行っても良いというナースや、うちのナースを出しますよ!と言う声が上がる事を願っています~~
 宿泊場所は避難所に持参した寝袋。何処の避難所になるかは不確定。
 食事,水は非常時用として1日分以上持参。
 キャンナス本部は、益城の特別養護老人ホーム・ひろやす苑になります。
 不明な点は、090-8852-5540菅原由美まで
~~~~~*****~~~~~~
【会員の皆様へ】
上記の他、避難所グループホームなど看護師さんの力を必要としているところがあります。日程は問いませんので、活動可能な方、下記までご連絡下さい。
NPO法人災害看護支援機構
 ℡:078-335-8668
 e-mail:dnso5050@gmail.com


投稿者: admin 投稿日時: 2016-04-22 15:30:48 (1691 ヒット)

平成28年熊本地震における活動報告


活動メンバー
 小原真理子(本機構理事長、日本赤十字看護大学国際・災害看護学領域特任教授)
 同行者:香川真美・今野千穂(日本赤十字看護大学国際・災害看護学領域修士課程院生)
     高田照彦(武蔵野地域防災活動セミナーメンバー)
     三澤寿美(日本災害看護学会先遣隊)
目的
①災害急性期に現地に入り、健康問題、看護ニーズ等の情報収集と査定を行い、必要な看護支援を明確にする。査定を行う際には看護ケアを実践しつつ、今後の活動に繋げる。
②活動を通して、本支援機構における経験知を蓄積する。
◆2016年4月18日(月)午後
 熊本市内の状況では、支援者が利用する熊本市内ホテルは断水しておりシャワー・洗面台等の利用は不可、エレベーター停止のため非常階段を利用して上階まで荷物を持っての移動が必要であった。夕方には熊本市内のコンビニエンスストアは営業を休止しており、数軒の大手スーパーマーケットが営業をしていたが、食料品はほとんどなく、飲料水も入手できなかった。緊急地震速報も複数回あり、余震は下から突き上げられながら横に振られるような震動であった。
【活動内容】
1)熊本県看護協会 会長・副会長と面会18:30~20:30
 熊本県看護協会では、災害支援ナースの帰着の対応中であった。
 現在、レベル1の対応により、避難所となっている「エミナース」と「はぴねす」に支援ナースを派遣している。2交代制で、日中(8時間)3人、夜間(16時間)3人体制で対応中であった。熊本県看護協会登録の支援ナースの所属施設の被害もあり、支援ナースの確保に苦労しているとのことであった。エミナースでは(通常は空港ホテル;保養施設)DMAT常駐のほかJMATの巡回もあるため骨折・外傷のある被災者の対応を行い、はぴねす(保健福祉センター)は1,000人程度の被災者が避難し、夜間は車中泊が多数あり、子どもと高齢者を優先して建物の中で過ごしてもらっているとのことであった。支援ナースからの情報では、子どもの脱水、インフルエンザとノロウイルス感染症発生の報告があったとのことであった。
4月20日夕方よりレベル2の対応予定であり、福岡県看護協会より8人の支援ナースの派遣が決定しているとのことで、その調整中であった。その後、沖縄県と大分県以外の県看護協会からの支援ナースの派遣を受け入れる予定にしているとのことであった。JMAT等から支援ナースの派遣要請があるが、今のところは看護協会支援ナースの活動に限定するとのこと。
 また、5月8日まで、熊本市周辺15市町村に厚労省より各都道府県派遣の保健師の配置が決定し、被災された住民の世帯健康調査が行われるとの情報があった。
 熊本県看護協会会長、副会長も被災されており、車中避難、避難所から看護協会へ出勤され、対外対応、支援ナース等への対応を行っている。

2)明日の活動について打ち合わせ 21:00~22:00
 熊本県看護協会 会長・副会長との打ち合わせにより、19日は、「はぴねす」において行われる避難者の健康調査へ協力し、その後、日本災害看護学会先遣隊が訪問することができなかった周辺市町へ訪問する予定となった。小原理事長と同行メンバーは、打ち合わせ終了後に、滞在先へ移動した。
 ホテルの予約が取れず、4人とも小原の友人宅に宿泊させて頂いた。住所は自衛隊病院近くの東区元吉町のマンション3Fで、ガス、電気は止まっており、外壁のひびと外廊下の破損、高層階からの水漏れのため、殆どの住民は避難しており、今後、居住するためには大幅な修繕、最悪は立て直しになることが予測されている。

◆2016年4月19日(火)午前
熊本市内の状況では、路面電車の一部区間が再開された。通勤と思われる方々の姿も見られた。熊本市内から益城町までの一般道にあるガソリンスタンドも、柱が損壊して倒壊の危険性があるが、災害時のガソリンスタンドとしての役目として営業しているとのことであった。営業時間以外にも、ガソリンスタンドのトイレを24時間利用可能として、通行者に提供していた。

【活動内容】
1)避難所 益城(マシキ)保健福祉センター「はぴねす」7:00~14:00

 益城町統括保健師と熊本県看護協会副会長に対応していただいた。8時30分~引き継ぎ、9時~ 支援者代表者(DMAT、益城町役場、支援ナース、派遣保健師)ミーティング(支援者調整)に同席、以後13時まで、避難所内及び周辺の環境について把握し、情報を統括保健師と熊本県看護協会に伝達することになった。
 避難者は約600人(推定)で、仮設トイレは、段差和式トイレ14基、男性小便器2基、洋式トイレは3基のみのため、膝痛や腰痛がある人、高齢者を優先で使用するように掲示されている。仮設トイレの照明はなく、トイレの外側からの簡易照明のため、夜間は暗くてトイレを使用しにくいと住民がいっていた。排泄物は流水ペダルを強く押さないと流れない状態であった。現在、仮設トイレの衛生管理については、くみ取り、掃除、水の補充等を町職員が交代で行っている。当初、施設内トイレが一時使用可能だったが、間もなく施設の下水処理機能が不能となり、トイレに排泄物が多量に蓄積する状況となり、衛生環境整備としての取り組みを行い、現在のような管理体制となったとのことであった。町職員も被災されている方が多いが、住民の方々に対しても、外部からの支援者にも笑顔で丁寧に対応されていた。
 玄関先、階段おどり場も居住スペースとして利用している。施設内2階に避難している高齢者が仮設トイレに行くことが大変であるということであった。避難している方のお話では、情報が2階にいる避難者に伝わりにくく、放送で知らせているがわかりにくく、食事をもらおうとあわてて並んでもすでになくなっているということもあった。いつ手に入るかわからないので、
 とっておいたおにぎりは腐敗して食べられなくなったこともあったとのことであった。疲れていて何時間も並ぶ気力もなくなってきているとのことであった。また、2階にはテレビがなく、特に知りたいと思っている復旧状況の見通しについての情報が得られないとのことであった。何時間も食事配給に並ばなければもらえなかったが、現在は整理券配布のあとに番号呼び出しでもらえるようになったので、少し楽になったとの話もあった。避難している要配慮者について、1階、2階ともに把握が困難な様子であった。車いすの台数は、車いすを必要とする住民数に対しては不足の印象であった。荷物台車でトイレ移動しなければならない高齢者もいらっしゃった。本日は、町保健師からの要請により、熊本県看護協会の支援ナースが世帯別の健康調査を行って、避難者の被災状況、健康状態把握に取り組まれていた。自宅の被害状況を把握することにより、避難生活の長期化が予想される住民を把握する目的もあるとのことであった。
 薬忘れでも、お薬手帳、薬剤指導票があれば薬剤師会からもらえるが、それらがない場合は、DMAT等の医師の診察を受けてから処方してもらうことができていた。診察の受付窓口は、「はぴねす」の事務所内の一角であった。他に、自衛隊救護所も設置され、DMAT医師との連携を図っているとのことであったが、救護所内は閑散とし、避難している方々の中には、どんな医療関係者が来ているのか知らない方もいた。
自衛隊員が1,500食分のご飯のみの炊き出しを行っていた。おにぎりを塩なしで配給。
 ペットと一緒に避難している方々は、施設外へのスペースへの移動が促されたため、住民は車中泊にならざるをえないというお話であった。
 地元の高校生ボランティアが事務室のカウンターで避難者の対応に協力していた。隣接する児童館に益城町災害対策本部が設置されていた。

2)避難所 広安小学校 AMDA 8:00~14:00 診療活動の介助
 6:40宿泊先を出発、益城町まで10分程度であった。センターをラウンド後、近くの広安小学校の避難所を訪問、グランドで下痢と腹痛を訴える車中避難者に声をかけられ、避難所内に救護所があるか確認しに行ったところ、AMDAのリーダーとの出会いであった。
 大学院生の香川真美看護師、今野知穂看護師が、AMDAの24時間医療支援活動に協力した。褥瘡の悪化による医療機関への搬送があったほか、健康状態の悪化による受診者が多数あった。

3)4月19日20:00~4月20日12:00 広安小学校避難所 24時間診療活動の介助
 DNSO小原理事長、香川真美看護師、今野知穂看護師、高田昭彦氏の4人がAMDA看護師と交代し、夜間~朝まで夜間診療への対応、避難所要配慮者への対応を行った。校長を含む学校教職員3人が学校に宿泊しており、AMDAとも連携されていた。
【広安小学校での救護所支援活動内容】
1.診察介助
 問診票記入、バイタルサインチェック
《疾患》高血圧、内服処方、熱傷・創傷処置、褥瘡、腰痛・関節痛、呼吸器疾患、アレルギー、不眠、めまいなど
2.救急搬送
①脳梗塞疑い患者
 75歳男性、防犯パトロールを震災後休まず活動していた。主訴は重いものを持ちすぎたため、左肩、左上腕の疼痛と動きずらさを訴えていた。既往歴に6年前に軽い脳梗塞、後遺症なし。内服薬はバイアスピリン等6種類を内服している。着ている服は一度も着替えておらず、白のTシャツが黄色になり、3枚目まで汗で濡れている。食事はおにぎりのみ、水分はとっているとのことであった。血圧81/45、HR89、握力は左〈右、しびれなし、明らかな麻痺ないが、脱力感あり。医師の診察を受け、筋肉痛と診断され湿布を貼って帰ることになるが、気になって声をかけると、眠いと訴えあり。念のためベッドに横にして再度血圧測定実施する。再診し、念のため脳梗塞疑いで救急搬送することとなる。

②褥瘡患者
 避難所の教室で畳の上で臥床している70代男性で、もともと在宅でも褥瘡を繰り返していた。仙骨部に6センチ程度の褥瘡あり。洗浄後フィルム等で処置を行い、毛布で体位変換用まくらを作成した。その後JMATが到着したため、診察以来し、JMATの連携で転院先が決まり搬送となった。

3.車中泊者巡回
 19日9時実施、3000台ほどの車が止まっているが、乗車している人は10分の1程度。朝食の時間が8時であり、それ以降は家の片付けや仕事に出かけるめ、車中には高齢者や幼い子どもがいる家庭が残っている印象であった。「足が伸ばせないから腰が痛い」「救護所があるのを知らなかった」「犬がいるから仕方ない」「トイレが遠いから大変」などの声が聞かれた。車中は荷物、食べたゴミ、食べかけの食べ物、衣類などが散乱している車も見受けられ、ゴミ処理の手伝いを何台か行った。夜間の音を気にして、Cpapを使用している人で車中泊している人もいた。
《避難所の対応》
 ・車中泊者にも食事の配布の時間になると拡声器で知らせている。
《必要な支援》
 ・今ある資源は車中泊者にも伝わるよう、周知する。
 ・車中泊者を巡回し、エコノミー症候群を予防するための啓発活動の実施。
 ・車が作業等で移動するため、必要時ナンバー等を控え要配慮者の把握につとめる。
 ・巡回時に、車中の中の様子をさりげなく確認し、食べているものや環境を確認し、適宜改善をはかる。
4.夜間各教室および仮設トイレの巡回
 ①AMDA医療スタッフがリストアップした要援護者や気になる患者に関する夜間状況の確認
 ②巡回していくなかで、各教室にいる住民の中で気になる方への声かけ(特に覚醒されている方や座位など同じ姿勢のまま休まれている方に対して、等)⇒それぞれの気になる住民の方へ必要なケアや対応を考え、AMDAスタッフへ引継ぎをした。
 ③トイレ介助
 2階3階部分にも杖を使用した要援護者や高齢者が多く、巡回中に3人ほど杖でトイレに行くために階段を昇降している避難者にあった。昼間はと友人にトイレへ同行してもらっているが、夜間起こすのをためらい一人で歩行していた人や、老老介護でトイレに行く人が見受けられた。中には普段眠剤は飲まないが、震災後不眠に悩み前日から救護所で処方された眠剤を内服しているという高齢者もみうけられた。夜間のトイレは非常に転倒のリスクが高く、このような被災者の介助や見回りが必要である。
 ④日中救護所に来られた患者の中で気になる患者の様子の確認
・咳喘息疑いの女性は、巡回した際座位でうとうとしている状態だった。声をかけると座位でないと咳がでてしまうため1日この姿勢をとっていた。背もたれがあれば楽になるが、その人がいる場所は教室の中央であり、移動が難しい状況であった。
 ⑤仮設トイレの夜間巡回
外に大きな発電機を使用した外灯を設置していたが、夜間消えていることがあり、駐在している消防士に声をかければ対応してくれた。和式トイレのみしかなく、トイレ内にライトは設置されていないため、非常に足元が見えずらく危険である。老老介護でトイレにきていた女性は、バランスを崩し転倒しそうになっていた。

4)活動から
 避難所アセスメントが必要であると感じた。ガムテープ、油性マジック、USBメモリ、プリンター、印刷用紙等の持参が必要であった。

◆2016年4月19日(火)午後(今野知穂看護師、日本災害看護学会 三澤チーム)
 訪問までの状況では、インターネットによる情報で、宇土市内避難所情報を把握し訪問したが、現地を訪問してみると、すでに避難所として機能していない場所もあった。また、益城町を出発する時点では、御船町避難所に向かっていたが、複数の箇所で道路損傷による通行止めがあり、DNSO小原理事長チームと調整し、急遽、宇土市避難所を訪問することに変更した。
【活動内容】
1)宇土市民体育館(訪問日時;平成28年4月19日17時50分~18時10分)

宇土市民体育館は、昨日18日まで避難所として開設されていた。しかし。地震の影響により物資の蓄積場所であった市役所の建物が損壊し、本震により倒壊の危険性が高まったため、19日より市民体育館が、災害対策本部、物資の拠点・蓄積場所およびボランティアセンター設置によりボランティア受付窓口の場所となった。食事の配給は、自衛隊が炊き出しを行っており、材料があるときにはカレーを提供したこともあった。1日約1,030名分のお米を炊いていたが、19日より他の支援物資も入り、白米だけでなくコンビニのおにぎりやいなり寿司なども提供されるようになってきたため、行列も出来なくなってきている傾向にあるとのことであった。市民体育館の物資は、体育館の外でボランティアがそれぞれのコーナーで案内をしているが、欲しい分だけ手に渡るように自由に持っていけるような体制であった。また、市内の各避難所へ物資を届けているかについても、体育館玄関に掲示されていた。市職員のお話では、避難所によって差がでないように、より気をつけて活動をしているとのことであった。

2)宇土市内避難所(訪問日時;平成28年4月19日18時15分~18時45分)
 市役所職員が中心となり、避難所を運営している。市職員3~4人が12時間交代の体制ですべての避難所に常駐している。これまでに夜間の避難者は最大約130人、現在は約110人、日中は70人程度が避難している。部屋割りは住民に任せている。フロアは3階建ての2階までを避難所として使用している。トイレは、洋式1基、和式が2基であり、市の職員がトイレ内に懐中電灯を設置し、夜間懐中電灯を点灯した状態で住民の方々のトイレの安全を守れるよう対応を図っていた。感染症、エコノミークラス症候群などに関する情報は、住民が必ず通る避難所入口の掲示板を利用し、情報提供していた。避難所入口で、避難所の受付名簿、出入りの状況について記載を促し、名簿管理は市職員が行っていた。また、受診可能な医療機関の一覧は、市職員が常駐している柱に貼り、情報を提供している。保健師や看護師は配置されていないが、他県より援助に来られた医師を地元の医師が避難所に案内し、巡回で避難所へ来てくれたことが1回あった。避難所にいる住民の方が、父親へ内服をさせたいがどこへ行ってもなかなか対応してくれないとのことで市職員へ相談に来られたが、市職員も何とかしてあげたいが、どのように対応したらよいか困っていたときに巡回診療がきてくれ、助けられたと話されていた。これから避難が長期化した場合、健康状態の悪化があった際に、自分たちは専門職ではないのでどのようにしたらよいか、市役所損壊により行政機能も停止しているため、市役所の機能を再建することと住民の避難生活とを同時に考える必要があり、苦慮しているとのことであった。
 他に、理学療法士の団体が避難所で、マッサージを住民に提供していたとのことであった。支援物資も届いているが、それ以外には、学校のOBなど関係者がボランティア支援として避難所で、炊き出しを行ってくれている。
 中学校は4月22日まで休校が決まったが、学校再開の予定は未定とのことであった。

◆2016年4月19日(火)午後(小原真理子、香川真美、高田照彦チーム)
 御船町には10か所の避難所が設営されている。
御船町立御船中学校体育館
 体育館には、昼間100名程度の住民が滞在、主に高齢者が多く、ゆったりとしたスペースで生活しているが、夜は200人まで増加、車中泊もみられる。全体的に清潔感があり、トイレは匂いがなく、廊下や体育館の床とも掃除が行き届いていた。御船町役場職員が中心となり、24時間体制で避難所に常駐している。

御船町立御船小学校
 同じ敷地内に保健センター、町役場、スポーツセンター、公民館が設置されている。
 体育館内のトイレに近い場所に高齢者10名が寝泊まりし、家族を合わせると50名程度である。
 体育館の大半は物資の置き場となり、ちょうど搬送中であった。避難者は教室内に居住していた。
 保健センターにはTMATが常駐し、医療活動を展開している。小児科医師と出くわし、ノロウイルスや子供の喘息等がみられる。各救護チームによるミーテイングがまだ開催されていないため、開催にもっていきたい。

◆2016年4月20日(木)午前9:00~11:30
 熊本市内の状況では、JR、バス、路面電車の一部区間が再開された。通勤と思われる方々の姿が多くみられた。コンビニエンスストアが再開し、陳列される商品が増え始めていた。熊本市内では水道が一時使用可能となったようである。
【活動内容】
 熊本県看護協会、熊本県看護協会会長・副会長に対応していただいた。4月19日(月)に訪問した市町の避難所の状況について、情報提供をおこなった(上記19日の活動内容を参照)。 
 熊本県看護協会からの情報では、熊本市から避難所への派遣要請があったこと、本日より九州圏内看護協会より支援ナースの派遣があること、熊本市以外の市には県外支援ナースに直接入ってもらうことになっていること、日本看護協会の支援があるということであった。医療支援とは異なる避難者に対する支援ナースの役割としての健康生活支援の必要性についてお話があった。また、災害発生後の急性期には、現地の看護職も被災しており、避難者への支援を行う必要性を考えてはいても、さまざまな面で困難が生じているため、専門的な知見をもつ外部の方々に現地に来ていただいて、情報提供やアドバイス・支援があることが望ましいとのことであった。
 先遣隊で捉えた今後の看護支援ポイントで、避難所内や車中内の要配慮者の発見と個別ケア、車中避難者に対するエコノミー症候群対策の情報提供等であることを共有化した。避難所内の要配慮者マップ
の作成と個別ケア、ラップポントイレの設置、情報提供の方法等について具体的に提示した。

◆2016年4月20日(木)13:00~14:00
 午後、合流後、日赤熊本県支部を訪問、お願いしていたEMIS避難所データーを頂いた。こころのケアアドバイザー担当者に出会い、今後の活動サイトを決定していく等の情報を得た。その後熊本赤十字病院看護部へお見舞い訪問後、福岡空港に向かった。看護部では、病院としては昨日から、落ち着きを取り戻しつつあること、看護部所属要員もなるべく、病院に泊まり込みとならないように調整していること、今後、県内の被災地病院における支援受け入れの準備調整に追われているとのことであった。新人ナースは、自宅のガス、水が復旧していないこと、余震等で友人宅に宿泊しているとの情報を得た。
 この3日間は、今までの活動のネットワーク、そして新しい出会いの中での活動を通して、今回の地震災害における住民の避難生活の特徴、各避難所内の状況の特性や課題、特に要配慮者の対応、車中避難への対応等について、多少なりとも看護の視点が見出されたので、今後の活動に繋げていきたい。
 日赤熊本県支部で得られたEMIS避難所データーを熊本県看護協会に送った。


投稿者: admin 投稿日時: 2016-04-22 15:27:00 (670 ヒット)

内容:3日間の活動概要
 昨日「20日(水)福岡空港20:25発の飛行機の出発が多少送れ、本日真夜に無事帰省しました。院生2名を含めたチーム5名は、震度3~4の頻回な余震に遭遇しながらも怪我や病気もなく、元気に活動してまいりました。

 4月18日~20日、3日間の短い先遣隊としての活動でしたが、私達なりに災害急性期及び今後の避難生活の支援活動におけるの看護の視点を見出すことができました。
1日目の18日は熊本県看護協会での打合せ後、2日目の19日午前中3名(小原、三澤、高田)は、益城町の保健福祉センターでの統括保健師や熊本県看護協会統括支援ナース等との打合せ、避難所の住居環境、トイレやごみ処理、食糧等の配布状況、救援組織の活動状況等を視察しました。院生2名(香川、今野)は途中遭遇した益城町の広安小学校避難所内のAMDA救護所において、診療活動に参加しました。3日目の20日午前中、看護協会で活動の報告、院生は引き続きAMDAでの診療活動に参加しています。午後、合流後、日赤熊本県支部、熊本赤十字病院看護部へお見舞い訪問後、福岡空港に向かいました。看護部では、看護部長、副看護部長にお会いし、病院としては昨日から、落ち着きを取り戻しつつあること、看護部所属要員もなるべく、病院に泊まり込みとならないように調整していると、部長は申しておりましたが、今後、県内の被災地病院における支援受け入れの準備調整に追われているとのことでした。新人ナースは、自宅のガス、水が復旧していないこと、余震等で友人宅に宿泊しているとの情報を得ました。

 宿泊先の確保に難儀しましたが、1日目18日は友人宅に宿泊、2日目19日はAMDA救護所において、夜間の支援活動にも参加しながら避難所に宿泊させて頂きました。また救護所で24時間通しで、活動に参加したことで、現在の健康問題、避難所における要配慮者の置かれた状況、車中泊の状態等の課題を知ることができました。午後は御船市及び宇土市の避難所を巡回し、避難所における運営の特性を知りました。

 この3日間は、今までの活動のネットワーク、そして新しい出会いの中での活動を通して、今回の地震災害における住民の避難生活の特徴、避難所内の状況の特性や課題、特に要配慮者の対応、車中避難への対応等について、多少なりとも看護の視点が見出されましたので、今後の活動に繋げていきたいと思います。

 M2 2名の参加を通して、準備、現地での活動、後の授業での報告等、看護職としての経験知、院での学習成果が確認できましたので、今後も災害発生時、急性期の実習や演習を
プログラムし、履修に繋げていきたいと考えています。

 活動の詳細は、災害看護支援機構や日本災害看護学会HPをご覧下さい。今後、追記していきます。宜しくお願いします。
理事長: 小原眞理子  


投稿者: admin 投稿日時: 2016-04-18 17:06:00 (882 ヒット)

 2016年4月14日21時26分頃に、熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード6.5、最大震度7の地震が発生しました(前震)。さらに、その28時間後の4月16日1時25分頃には、同じく熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生しました(本震)。
 本機構では余震が続く中ですが、先遣隊として小原理事長が4月18日~20日まで熊本県入りし、被災状況を看護の視点から現地調査を行いました。現地では日本災害看護学会先遣隊として現地入りしていた当機構:三澤寿美理事と連携した調査を行いました。今後の支援活動につきましては、ホームページを通じまして皆様にお知らせしてまいります。ご協力を宜しくお願い致します。

募金のお願い

 熊本地震支援活動につきまして、活動資金のご寄付をお願い致します。
   郵便振替
    口座名:特定非営利活動法人災害看護支援機構
    口座番号:00110-6-669781
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