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投稿者: admin 投稿日時: 2009-02-11 11:38:00 (4673 ヒット)

サウジの特徴を考慮した災害看護研修(1)(Disaster Nursing)

(小原)

1.サウジアラビア王国における災害発生の特徴

 サウジアラビア王国は自然災害の発生は少ないが、通常の大型交通事故や爆弾テロの発生、マッカにおけるハッジ(マッカにあるカーバー神殿への大巡礼)*には何百万人が当地に集まり毎年、将棋倒しにより数百名単位で死亡する集団災害が発生し、圧死や外傷を被る人々が多いという背景がある。マッカ市内には7つの病院,またマッカ周辺には11の病院が設置されているが、ハッジの季節が近づくと、海外のイスラム圏(インドネシアなど)やサウジアラビア全国からハッジ対応医療チームがマッカ市内及び周辺の病院に派遣され、集団災害発生時に直ぐ対応できるように備えている。

 プロジェクトの拠点病院であるリヤドのRiyadh Medical Complexは、大型交通事故や爆弾テロの発生時の救急災害対応病院としての機能がある。また特にマッカから車で1時間の地にあるジェッダのKing Fahad Hospitalは、ハッジ対応病院として通常の医療活動の中に、多数の救急患者を受け入れる役割がある。双方の病院とも定期的な災害訓練を実施していると述べていた。しかし、全国基盤としては、病院によって災害医療、災害看護の取り組みに対する温度差があり、看護師の災害看護に対する知識、技術の修得度も違いがみられる。当然、災害医療、災害看護に取り組んでいる病院の看護師は知識、技術とも長けており、日本における災害拠点病院と非災害拠点病院との災害に対する意識や病院防災対策の温度差がある現状と共通性がみられている。

*ハッジ(Hajj):アラビア語でハッジとは「ある明確の目的のために出発する」という意味を指し、イスラームで いうハッジとはサウジアラビアのメッカにあるカーバ神殿に巡礼し、イスラームの教えによって定められた月(イスラーム暦の十二月)に行われる巡礼のことで一定の儀式 (マナシィク)を果すことを言い、特に「大巡礼」と言われている。それに対応し、オムラとは通常の巡礼であり、小巡礼と言われている。

2.ワークショップ(WS)の目的・目標設定

 2年間の実績とサウジ側のリクエストから、今年度WSの目的は、「病院内で発生した災害対応、特に入院患者を避難誘導する際に看護指導者として必要な判断力、技術力、行動力を習得し、新人看護師職等に指導できる能力を育成する」に設定した。

 目標は看護の役割にフォーカスし、次のように設定した。

  1. 1)病院防災のコード別対応とそれに準じた看護の役割について理解できる。
  2. 2)避難誘導時に必要なトリアージの意義や方法について理解できる。
  3. 3)入院患者の避難誘導の順番を決める際に必要なトリアージの種類として、「ふ  るい分け(Sieve)」と「優先度(Sort)」の決定ができる。
  4. 4)入院患者を安全に避難誘導する際に、患者に適した搬送手段や方法を選択で  きる。
  5. 5)災害発生時の安全な避難誘導について、新人看護師に指導する際に必要な企画、運営、指導ができる。

3.ジェッダで開催したプログラム内容と実施・評価

1)プログラム内容

8:30-9:00 日本の事例紹介:災害基幹病院における災害対応(武田担当)
9:00-10:00 本日のテーマのねらい、タイムテーブルの説明
トリアージの目的と方法(小原による講義)
10:00-10:20 Coffee Break
10:30-11:00 King Fahad Hospitalにおける災害対応
(同病院災害担当、スーパーバイザーNOORAH AL-HOWAISH)
11:00-12:00 映像トリアージシミュレーションと検証(小原担当)
12:00-13:00 Lunch & Pray
13:00-14:00 災害管理(KGFH災害担当師長)
模擬患者メーキャップデモンストレーション
14:00-14:30 トリアージの演習1:
模擬患者の想定とメーキャップ
講習(グループ別)(小原担当)
14:30-15:30 トリアージの演習2:
・START方式(Sieve)(デモを含む、グループ別)
・医療トリアージ(Sort) (小原担当)


2)実施・評価

 映像トリアージシミュレーションと検証については、映像によるトリアージの決定と理由についての検証は、参加者に順番に発表してもらったが、その発表内容から受傷内容のアセスメントが適切であると評価できる。

 また意見交換が活発であり、関心の高さと把えた。

 トリアージの演習1:模擬傷病者のメーキャップ講習については、デモ後、グループで想定した模擬患者のメーキャップを行ったが、材料に工夫がみられたこと、デモで学んだ手法を取り入れるなど、学習への興味と効果が確認できた。

 トリアージの演習2:START方式(Sieve)・ 医療トリアージ(Sort)については、デモ後、グループ別に演習を行ったが、取り組みに個人差がみられた。体験者は積極的に自分が習得している技術を活用し、学ぶ姿勢が見られた。反対に関心がない参加者も存在した。

 目標5の「新人看護師に指導するTOTの評価」については、病院で災害看護の役割を担っている者はTOTとしての成果がみられたが、そうでない参加者にとっては、TOTとしてのレベルまでは達成していない。まずは参加者自身が災害看護の基本的知識について習得することが必要である。TOTのレベルに達している参加者には、教授法のセミナーを受講することで、指導力の強化が期待できる。

3)サウジ看護師によるプレゼンテーション

 一昨年度の来日研修生が、昨年に引き続き所属しているキングファッド総合病院 (KFGH)の「Nursing Disaster Plan」について発表を行った。彼女はSupervisorの役割と共に院内における災害看護Coordinatorの役割も担っている。

 発表内容は、災害とは、院内災害及び院外災害の規模別コード化、水平及び垂直式の避難行動、映像による災害の種類、トリアージチーム「Blue」の位置、トリアージの区分、トリアージチームの役割、一昨年行った多数の傷病者受け入れ訓練の映像(トリアージ別の受け入れ準備、搬送チームとの連携等)、交通事故による外傷の映像、結論として一人でも多くの命を助けるために訓練の重要性を説いている。

 6年前からKFGHの災害担当となった。訓練は行っている。今まで新人看護師教育においても災害看護を取り入れていたが、講義のみであった。昨年度のジェッダワークショップで机上シミュレーションやトリアージの映像シミュレーション、模擬傷病者を用いた訓練を学んだことや、その後、日本での研修に参加した時に日赤武蔵野短大で行われた現場救護所の設営など、今後の参加型教育方法を考える上で参考になった。

 今年度、多数の傷病者を受け入れる時の看護師配置表の作成や、病棟に避難経路を掲示する等、災害看護関連の実践として多いに研修の成果が表れていた。

5.今後の課題

 今後の課題として、下記があげられた。

  1. 1)サウジ看護師を対象とした災害看護TOT強化プログラムの作成
  2. 2)災害看護TOTセミナー開催に向けての企画・運営
  3. 3)MOHムニエラ看護課長との話し合いにより、災害看護セミナーの継続を希望するが、それに当たり日本の専門家も引き続きフォローアップを期待する。
    それに際し、セミナー継続開催のねらいが明確でないため、下記について情報を得ることが必要と考える。
    1. (1)ハッジなどの集団災害現場へ派遣する看護職の人材育成
    2. (2)派遣組織体制
    3. (3)多数の傷病者を受け入れる病院の初動体制の仕組みと看護職の人材育成
    4. (4)災害看護のTOTプログラムの開発と人材育成
    5. (5)3つの拠点病院以外への災害看護の普及
    6. (6)「3年間のプロジェクトの動向、3つの拠点病院における災害看護の開発」についてのシンポジウムの開催


投稿者: admin 投稿日時: 2009-02-04 14:30:00 (5817 ヒット)

平成21年度 第1回災害看護セミナーのご案内(通算6回目)
急性期の災害看護
―災害医療、CSCATTTがもつ意味、災害現場の看護に必要なスキルー


 私ども「NPO法人災害看護支援機構」では、今回で通算6回目のセミナーをご案内することになりました。毎回、経験知に基づいた実践的なテーマを取り入れて展開しております。第6回セミナーのテーマは、「災害医療、CSCATTTがもつ意味、災害現場の看護に必要なスキル」と設定致しました。災害看護活動を展開する上で、外傷の見方や情報の取り方は重要と考え、当日はそれぞれの専門家をお招きし、下記のプログラムで、講義やシミュレーションを展開して頂きます。

 今回のセミナーの講義とシミュレーションを通し、急性期の災害看護活動に必要なスキルを習得されることを期待しております。テーマに関心のある方、災害看護の学習に興味のある方、どなたでもご参加をお待ちしております。

 ご参加については、下記の応募要領をご参照の上、お申し込み下さい。


【日程など】

日時:平成21年4月26日(日) 受付:9:00〜
場所:日本赤十字看護大学武蔵野キャンパス
   (講義:B館108号室、演習:A館講堂、B202および203)
   (当日問合せは 090-3030-8472:黒田まで)
参加費:会員:6,000円/非会員:7.000円(資料・お弁当・お茶付き)
受講対象:看護系教員、福祉関係者、学生等、災害看護の学習に関心をお持ちの方どなたでも参加できます。

【プログラム】

日時

テーマ・内容

講師

4月26日

9:50〜

オリエンテーション

阪神高齢者・障害者支援ネットワーク理事長
DNSO副理事長 黒田 裕子

9:55〜

開講の言葉

DNSO理事長 山崎 達枝

10:00〜12:00

CSCATTTの構造、外傷の見方と応急処置

富山大学大学院医学薬学教育部 危機管理医学
(救急・災害講座)教授 奥寺 敬

12:00〜13:00

昼休み

 

13:00〜16:00

シミュレーション

(1)高機能シミュレーターによる外傷の見方と応急処置

(2)災害現場の情報収集と発信

(1)上記所属 奥寺 敬氏

(2)武蔵野赤十字病院 高桑 大介氏
赤十字特殊技術奉仕団 大西孝博氏

16:10〜17:00

GW・学んだスキルを災害現場の看護にどう生かすか

日本赤十字看護大学 DNSO副理事長 小原真理子

【会場案内図】

〒180-8618東京都武蔵野市境南町1丁目26番地33号
  (地図の赤表示)
■ JR中央線 武蔵境駅下車(南口)徒歩10分


【応募要項】

「急性期の災害看護」応募要項(PDF)


【申込締切】

平成21(2009)年4月20日(月)


【お問い合わせ先】
NPO法人 災害看護支援機構・関西事務所
(阪神高齢者・障害者支援ネットワーク内)
神戸市西区前開南町1-2-1
TEL 078-976-5050 FAX 078-977-0224
E-mail:hks-sien-net@h8.dion.ne.jp




投稿者: admin 投稿日時: 2009-01-09 17:46:14 (3554 ヒット)

平成20年度 第3回災害看護セミナーのご案内(通算5回目)
法と災害看護


 私ども「NPO法人災害看護支援機構(DNSO)」では、今回で通算5回目のセミナーをご案内することになりました。毎回、経験知に基づいた実践的なテーマを取り入れて展開しております。第5回セミナーのテーマは、「法と災害看護」と設定致しました。災害看護活動を展開する上で、看護者が災害に関する法律の知識を持つことは、被災者や看護者自身を守ることに繋がると考えます。例えば、災害急性期に展開されるトリアージや応急処置について、看護師が通常より拡大範囲で手を下すこともあり、それが法的にどんな意味を持つのか知ることが必要と考えます。また災害中長期、被災者を取り巻く生活に関連した相談を受けた時、法律を知っていることで、被災者により確定した対応ができるのではないかと考えます。

 今回のセミナーの講義とシンポジウムを通し、災害に関連した法律を知ることで、よりより災害看護活動に繋がることを期待しています。テーマに関心のある方、災害看護の学習に興味のある方、どなたでもご参加をお待ちしております。

 ご参加については、下記の応募要領をご参照の上、お申し込み下さい。


【日程など】

日時 :平成21(2009)年2月28日(土) 受付:9:00~
場所 :神戸市先端医療センター:第1研修室
参加費:会員:6,000円/非会員:7.000円(資料・お弁当・お茶付き)
受講対象:看護系教員、福祉関係者、学生等、災害看護の学習に関心をお持ちの方どなたでも参加できます。

【プログラム】

日時

テーマ

内容

講師

2月28日

 

9:50〜

オリエンテーション

 

黒田 裕子(DNSO副理事長)

9:55〜

開講の言葉 

 

山崎 達枝(DNSO理事長)

10:00〜12:00

法と災害看護

法的な視点から災害救護活動を見る
法的に問題になりやすい事象

日弁連災害復興支援に関する全国協議会WG座長 永井 幸寿(DNSO監事) 

12:00〜13:00

 昼休み

 

 

13:00〜15:00

シンポジウム

各シンポジストの救護体験を法的な視点から考察する

山中 茂樹(関西学院大学災害復興制度研究所教授)

水谷 和郎(県立姫路循環器病センター 医長)

千島 佳也子(兵庫医科大学病院看護部 救急看護認定看護師)

15:00〜16:30

GW・発表・まとめ

本日の学びをGWを通して再確認する

小原 真理子(DNSO副理事長)

16:30〜17:00

修了書
閉講の挨拶

 

酒井 明子(DNSO副理事長)

【会場案内図】

大きな地図で見る

■三ノ宮からポートライナーを利用
三宮駅(神戸空港行)ー先端医療センター前駅下車
 乗車時間約12分・料金片道240円
 「北埠頭行き」は止まりませんのでご注意下さい。
※神戸新交通ポートライナー時刻表はこちら


【応募要項】

「法と災害看護」応募要項(PDF)


※1月9日に掲載したPDFファイルに下記の誤りがありました。現在は修正したものを掲載しております。ご迷惑おかけいたしました(2009.1.13)
 ・(正)山中茂樹←(誤)繁樹
 ・(正)閉講←(誤)閉校 
 ・口座番号 (正)00990-8-←(誤)0990


【申込締切】

平成21(2009)年2月25日(水)


【お問い合わせ先】
NPO法人 災害看護支援機構・関西事務所
(阪神高齢者・障害者支援ネットワーク内)
神戸市西区前開南町1-2-1
TEL 078-976-5050 FAX 078-977-0224
E-mail:hks-sien-net@h8.dion.ne.jp



投稿者: admin 投稿日時: 2008-10-06 10:30:00 (2753 ヒット)

10月18日(土)に第4回災害看護セミナー「復興と災害看護」をおこないます。
まだ若干参加枠がのこっておりますので、参加希望の方がいらっしゃいましたら前日までにお知らせください。

日時:平成20(2008)年10月18日(土) 受付:9:00~
場所:神戸市先端医療センター:第1研修室
参加費 :7.000円(資料・お弁当・お茶付き)
受講対象:看護系教員、福祉関係者、学生等、災害看護の学習に関心をお持ちの方どなたでも参加できます。

詳しくは→「復興と災害看護」応募要項(PDF:100KB)

〈お問い合わせ先〉
NPO法人 災害看護支援機構・関西事務所
(阪神高齢者・障害者支援ネットワーク内)
神戸市西区前開南町1-2-1
TEL 078-976-5050 FAX 078-977-0224
E-mail:hks-sien-net@h8.dion.ne.jp


投稿者: admin 投稿日時: 2008-08-10 12:33:32 (2617 ヒット)

平成20年度 第2回災害看護セミナーのご案内(通算4回目)

 私ども「NPO法人災害看護支援機構」では、今回で通算4回目のセミナーをご案内することになりました。毎回、経験知に基いた実践的なテーマを取り入れて展開しております。第4回目セミナーのテーマは、「復興と災害看護」と設定致しました。 看護者にとって、災害サイクルに伴う看護を展開してゆくことが災害看護の重要な役割と考えます。災害急性期の医療機関や避難所における災害看護のあり方については、その原則や方法が打ち出されるようになりましたが、災害復興期にどんな看護 が必要とされ、どんな看護が果たして可能なのか、まだ不明確な面が残されています。復興を考えること、それは防災を考えることにも繋がり、私達が生活する地域を見直す機会にもなります。被災者が災害前の生活そして地域を取り戻すために、私達看護職が災害看護の視点からどんな支援ができるか、「被災者にとって復興とは」、「復興支援の在り方」を学習することが必要と考えます。

 今回のセミナーの講義とシミュレーションを通し、復興支援の考え方と具体的な方法について、共に考える機会となればと期待しております。テーマに関心のある方、災害看護の学習に興味のある方、どなたでもご参加をお待ちしております。ご参加については、下記の応募要領をご参照の上、お申し込み下さい。

日時:平成20(2008)年10月18日(土) 受付:9:00~
場所:神戸市先端医療センター:第1研修室
参加費 :7.000円(資料・お弁当・お茶付き)
受講対象:看護系教員、福祉関係者、学生等、災害看護の学習に関心をお持ちの方どなたでも参加できます。


「復興と災害看護」応募要項(PDF:100KB)


〈お問い合わせ先〉
NPO法人 災害看護支援機構・関西事務所
(阪神高齢者・障害者支援ネットワーク内)
神戸市西区前開南町1-2-1
TEL 078-976-5050 FAX 078-977-0224
E-mail:hks-sien-net@h8.dion.ne.jp


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